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智水社

無知を憎んで,人を肉まん

 最近,ドラマ「TRICK」が配信されていて,作業のBGMに使っています。いつものごとく,作業BGMなのでトリックの仕掛けがよくわからないままお話が終わってしまいます。まあドラマは一回観たので,そこまで真剣に観なくてもいいんですがね。


 さて今回は,『中華まん』のお話。自分はずっと『中華まん』なる饅頭があると思っていました。ガキのとき,テレビで『中華まん』のCMのときには,おいしそうな『中華まん』を割って中の具を見せる演出を見て,あの『中華まん』を食べたいという憧れをずっと持っていました。


 大学生になってスーパーなりコンビニなりで「中華まん始めました」といったのぼりを見るとワクワクしてその店に入って『中華まん』を探していましたが,いつでもどこでも『中華まん』を見つけることができなくて地団駄踏んでいました。


 そんなこんなで大学生活を過ごしていると,毎年11月に大学の地元の催しで,一か月にわたりおよそ80個の祠巡りをして,そこにあるスタンプを押してスタンプラリーしましょうといったものがあることがわかりました。


 大学3年生のときに友人と2人でそのスタンプラリーがあることを知り祠巡りしようとなりました。学校があるので祠巡りするのは実質日曜だけ(当時は土曜は半ドン)でしたので,結構キツキツのスケジュールで回りました。


 一日のノルマを決め,ここまで回ったらその日は終了といった感じで回っていました。一日のノルマも結構大変でした。


 そんなある日,ノルマが達成されたときに,ご褒美のおやつをコンビニに買いに寄りました。店の中に入ると「中華まんあります」といったのぼりがありました。やっと『中華まん』が食べれるかもと心躍りまくりでした。


 んで,饅頭が置いてあるケースを見て『中華まん』を探したのですが,『肉まん』や『カレーまん』や『ピザまん』などはあるのに,『中華まん』はありません。店には「中華まんあります」とのぼりがあるのにもかかわらず,その肝心な『中華まん』が見当たらないのです。


 どうしても『中華まん』が食べたい自分は,やっと憧れの『中華まん』に食べれるというワクワク感満載でドキドキしながら店員さんに「中華まんください」と言いました。


 そしたら店員さんは意外なことを自分に聞きました。「どれにしましょうか?」。はあ?この店員さん何ば言いよらすと?『中華まん』くださいと言ったのに「どれにする?」ってそりゃ『中華まん』に決まっとるやろうもん!と心の中で思いました。


 どうしても『中華まん』が食べたい自分はまた「中華まんください」と言いました。そしたら店員さんはまたまた「どれにしましょうか?」と謎の返答をしました。なんでこの店員さんわからっさんと?とモヤモヤしていたら,なんかオイと店員さんとの様子がおかしいのではと察したホットの飲み物コーナーにいた友人がやってきました。


 「さっきから何しよっと?」といった友人にオイは事の顛末を話しました。そしたら友人は,「もしかして『中華まん』っていう饅頭があるって思うとる?」って聞いてきたので,「そりゃあるやろうもん」と答えたら,友人は笑いながら「中華まんって饅頭の総称ぞ。肉まんやらカレーまんやらピザまんとかの」と驚くべきことを教えてくれました。なるほど,だから店員さんは「どれにしましょうか?」って聞いてきたのかとすべてが合点がいきました。


 そしてオイは店員さんに胸を張って注文しました。「肉まんください」


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