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智水社

角の二等分線における線分比

 昨日やら今日やらはかなり暖かいですね。もしかしたら夏に逆戻りしているのかも。また昨日は元大関の朝潮関の訃報が届きました。好きな力士のお一人でした。なかなか大関になれなかったり,北の湖関にはなぜか強かったり,頭から立ち会うのでいつも額にかすり傷を負ったりと個性あふれる力士でした。ご冥福をお祈りいたします。


 さて今回は,角の二等分線における線分比のお話。△ABCの角Aの二等分線と辺BCとの交点をDとするとAB:AC=BD:CDとなるアレです。


 この性質はそんなに難しくないと思うのですが,なぜか高校生の定着がよくありません。問題文に角の二等分線がどうのとか内心(内接円の中心:角の二等分線の交点)がどうのとかあったら,この線分比を使ってねというメッセージなのに,なぜか定着が悪いのです。


 訳の分からん英単語や古文単語を5個ぐらい覚えるよりは,こちらの定着に時間かけた方がはるかに有効だと思うのですが,なんか高校生は英単語や古文単語を覚えることを優先している気がしています。英語の先生や古文の先生がやたらと単語を覚えさせようとすることが大きな要因の一つなのでしょうね。


もちろん,大事な単語やお馴染みの単語なら覚える必要があるのでしょうが,今までの高校生からいろんな話を聞くと,優先的に覚える単語とどうでもいい単語の線引きがなされていないようで,何でもかんでも覚えろといった感じだそうです。指導方法を間違うと生徒に不利益が被るとなるよい例だと思うのですが,そんなことはどうせお構いなしということでしょうか。


 話を戻すと,角の二等分線の線分比には角Aの外角の二等分線における線分比もあって,その二等分線と直線BCとの交点をEとすると,AB:AC=BE:CEとなります。残念ながら,こちらに至っての定着はほぼ皆無なんです。


 しかし,一つ目の線分比と二つ目の線分比を見比べていただいたらおわかりになりますが,DとEが入れ替わっているだけなんです。つまりBCの内側にいたDがBCの外側だとEとなるだけの話なので,そのイメージで線分比を考えるとそんなに難しくないのですが,定着の悪さを考えるとおそらく授業ではそういった話はなく,ただ単に覚えろといった感じなのでしょうか。


 また,この線分比の証明にしてもそんなに難しくなく,中学生でも理解できる内容ですし,ちゃんと生徒に証明させることは図形に対しての理解が深まりますし定着も深まるのですが,これもおそらくそんな説明はなく単に覚えろって授業しているのでしょうか。


 現在の授業のほとんどは何でもかんでも覚えろといった指導です。覚えられないと努力が足りないとか頭のできが悪いとか言って怒り散らす。どうもこれが現在の日本の「質が高い教育」というものだそうです。


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